SOGO PLANNING OSAKA JAPAN 株式会社 総合プランニング

プレスリリース〜「2014年 植物の工業的栽培市場の現状と将来動向」

2014年07月15日

PRESS RELEASE




「2014年 植物の工業的栽培市場の現状と将来動向」調査報告書



植物の工業的栽培市場の現状と将来動向に関する調査を実施

 総合マーケティングの株式会社総合プランニング(大阪市中央区南本町1−7−15 社長 三木五郎(06-4705-0031))は、将来の農業の在り方を左右するものとして期待の掛かる「植物工場(植物の工業的栽培市場)」につき、調査を実施した。調査対象は『養液栽培システム』、『栽培プラント』、『関連資材』、『栽培環境管理・制御装置』の4分野に加え、『工業的栽培事例(栽培事業者事例)』(46件)と『植物工場野菜を販売・利用している小売店・飲食店事例』(10件)を含めたもので、その調査結果を「2014年 植物の工業的栽培市場の現状と将来動向」として資料にまとめた。


<調査結果の概要>

◇養液栽培システム市場
市場規模 2013年実績:85.5億円 2018年推定:143億円(伸長率167.3%)

調査対象は「たん液栽培」・「NFT栽培」・「固形培地栽培」であり、いずれも養液栽培では代表的な栽培方法である。
たん液栽培は国内で開発された栽培方法で歴史が古く、様々な発展を遂げつつ、多くの水耕栽培施設で利用されている。
完全人工光型植物工場では栽培面積を増加させるためには多段化にしなければならず、NFT栽培はこういった状況に適した栽培システムである。
固形培地栽培は施設園芸で長く利用されているロックウール、価格で優位性のあるヤシ殻、人工土壌として注目が高まっているヴェルデナイトなど、多様な展開を見せており、大規模施設園芸事業者の増加も期待される。
このような動きから2018年の市場規模は143億円に拡大する。

◇栽培プラント市場
市場規模 2013年実績:88.65億円 2018年推定:148.4億円(伸長率167.4%)

調査対象は「完全人工光型植物工場」・「太陽光利用型植物工場」・「コンパクト型植物工場(店頭栽培用、家庭用)」・「育苗型植物工場」である。
「完全人工光型植物工場」は電気料金の値上げなど課題を抱えているが、参入に当たり農地を必要としない点が評価され、導入者が増えている。
「太陽光利用型植物工場」は震災復興事業として注目は集めているが、市場の動きは緩やかである。しかし、今後は農業の規制緩和で大規模施設園芸事業者の増加が期待されており、これを受けて太陽光利用型植物工場の市場も拡大していくと考えられる。
「コンパクト型植物工場」は飲食店での利用が中心であるが、家庭用サイズが登場したことで一般家庭への普及が期待されている。
「育苗型植物工場」は太陽光利用型植物工場を含めた施設園芸向けで手堅い需要があるほか、これまでは葉物栽培が中心であった完全人工光型植物工場においても果実類の栽培が進むことで導入が見込まれる。

◇関連資材
市場規模 2013年実績:72.69億円 2018年推定:107億円(伸長率147.2%)
 
調査対象は「固形培地」・「人工照明」・「殺菌システム」・「生物農薬」・「養液栽培用肥料」である。
施設園芸で長く利用されているロックウールは安価な培地に圧されているが、培地として安定していることでリプレイス需要が見込める。ヤシ殻は価格が安いことで導入が進んでおり、東日本大震災の復興事業でも採用されている。人工土壌(ヴェルデナイト)は根菜類の栽培が可能であるほか、軽量化が図られていることで高齢者や女性でも取り扱いやすい。ヤシ殻や人工土壌は有機栽培であり、これに拘る栽培事業者向けの培地である。
完全人工光型植物工場の要となる「人工照明」は現状、価格が安いこともあり蛍光灯が中心である。LEDは価格低下の傾向にあることで導入が進んでいることや高圧ナトリウムランプなどの他の照明から切り替える事業者もいる。こういった動きを受けて将来的には蛍光灯とLEDの二極化になる。
培養液の基となる「養液栽培用肥料」は人工照明とともに植物工場における二大要素である。栽培品目の多様化や付加価値の高い作物の栽培には培養液は必須であり、露地栽培との棲み分けを図るうえで重要な資材となる。
「生物農薬」は完全人工光型植物工場では利用する場面が少なく、太陽光利用型植物工場を含めた施設園芸向けとなるが、栽培品目の多様化や害虫相の複雑化などの動きに沿う形で市場拡大が期待出来る。
「殺菌システム」は殺菌と言う側面だけを見るならば、太陽光利用型植物工場向けが中心となるが、(マイクロ)ナノバブルやオゾンの殺菌以外の効果(腐敗防止や作物の品質向上)が注目を浴びることで植物工場市場全体での需要増が期待される。

◇栽培環境管理・制御システム
市場規模 2013年実績:77.75億円 2018年推定:138.7億円(伸長率178.4%)

 調査対象は「養液栽培排液浄化システム」・「フィールドサーバ・遠隔監視システム」・「環境制御システム」・「給液管理装置」・「冷暖房空調機器」である。
「養液栽培排液浄化システム」の市場規模は小さいが、培養液への注目度が高まることで、これを再利用する動きが活発化することから、市場拡大が期待出来る。
「フィールドサーバ・遠隔監視システム、環境制御システム、給液管理装置、冷暖房空調機器」は主に施設栽培で利用されている装置である。
「フィールドサーバ・遠隔監視システム」は栽培環境の見える化を実現出来る機器である。参入企業の努力により、低価格タイプを中心に利用者が増加している。
高機能タイプと簡易タイプに分類される「環境制御システム」は栽培施設内の温度や湿度などを測定するもので、最適な栽培環境を作り出す装置である。タイプにより制御出来る機器が異なってくる。
「フィールドサーバ・遠隔監視システム及び環境制御システム」は栽培環境の見える化を実現するもので、作業の効率化や省力化が可能となる。
「給液管理装置」は養液栽培において液肥の量や成分、灌水の時間などを制御、管理する機器であり、作業の効率化や省力化を図ることが出来る。タイプにより機能性は異なるが、固形培地栽培や施設園芸向けに需要の拡大が期待される。
「冷暖房空調機器」は「ボイラー」と「ヒートポンプエアコン」である。日本の施設園芸において利用されている加温機は90%以上が石油を利用したものである。ボイラーは暖房効率が高いことで利用者も多く、リプレイス需要が見込めるものの、重油価格の高騰が栽培事業者に重く圧し掛かっている。
こういった事態を受けて「ヒートポンプエアコン」の導入者が増加している。ヒートポンプエアコンだけでは暖房効果が薄いのでボイラーと併用するハイブリッド方式が注目されており、ヒートポンプエアコン市場は大きく伸びる。

◇栽培事業者事例(46件)
 調査対象は日本国内の栽培事業者のみである。但し、栽培システム、栽培方法、栽培面積、栽培品目、生産量(収穫量)、収穫サイクル、売上高、収益性、販売方法、事業者及び植物工場の所在地、事業化動機などの条件は栽培事業者を選定する際には一切、加味していない。
導入事例に関する内容は事業化動機、導入設備・栽培方法、栽培作物と収穫量・栽培サイクル、販売高、収益性、収穫物の流通ルートと販売価格決定の方法、事業者の課題や問題点のほか、今回は新たに「販路開拓方法」と「インターネット販売の取り組み」についても調査している。
収益性は事業全体では赤字と回答した栽培事業者が半数を超えているが、前回調査よりは赤字と回答した栽培事業者の割合が減少しており、黒字もしくは±ゼロと回答した割合が増えている。これは植物工場市場において明るい材料である。

◇販売者・利用者事例(10件)
 調査対象は日本国内の販売者・利用者のみであり、事業者規模、事業者形態、地域、販売(利用)品目などは限定していない。但し、自社で栽培した植物工場野菜を販売もしくは利用している事業者は除いている。
調査項目は植物工場野菜の取り扱いの動機、販売(取扱)品目とその効果、現状の課題、消費者の反応に加え、新たに植物工場/植物工場野菜に対する印象や販売者事例においてはインターネット販売の有無についても調査している。
植物工場野菜の認知度は確実に高まっており、評価も概ね好評である。安定供給や価格変動が少ないことが評価されている大きな要因となっている。


<調査対象>
養液栽培システム:たん液栽培システム、NFT栽培システム、固形培地栽培システム
栽培プラント:完全人工光型、太陽光利用型(併用型含む)、コンパクト型(店頭栽培用、家庭用など)、育苗型
関連資材:固形培地(ロックウール)、固形培地(人工土壌、ヤシ殻、他)、人工照明、殺菌システム(オゾナイザー、ナノバブル)、生物農薬(天敵農薬、微生物農薬)、養液栽培用肥料
栽培環境管理・制御システム:養液栽培排液浄化システム、フィールドサーバ・遠隔監視システム、環境制御システム、給液管理装置、冷暖房空調機器

栽培事例参入企業事例:全国46事例
販売・利用者事例:小売店、飲食店など全10事例

<調査方法>
 弊社専門調査員による関係企業、研究機関、官公庁などへのヒアリング取材などにより情報収集を行った。

<調査期間> 2014年5月〜2014年7月

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